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#SWAX1018

Album
[ふたたび愛を~伊東ゆかり・筒美京平 LOVE SOUNDS]

伊東ゆかり

(1972)

Release
2014.05.20

Disc Number
(CD) SWAX-1018

Price
¥2,700
(without tax)

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収録曲

  1. 陽はまた.昇る (single CD-155/1972)
  2. 幸せへの道
  3. 花の咲く頃
  4. 遅すぎた人
  5. 愛の光
  6. いつからか (single CD-155/1972)
  7. いつもなら (朝丘雪路/1971)
  8. 夢でいいから (いしだあゆみ /1968)
  9. 幸福ですか (青山一也/1972)
  10. 愛こそいちずに (小川知子/1970)
  11. 恋のゆくえ (新藤恵美/1971)
  12. ふたたび愛を (平山三紀/1972)
    additional tracks
  13. 明日をめざして (single CD-125/1971)
  14. 誰も知らない (single CD-140/1971)
  15. よせばいいのに (single CD-140/1971)
  16. ロマンチスト (single RK-89/1977)
  17. プレイボーイ・マガジン (single RK-89/1977)
  18. あなたの存在 (album [あのひと]JDX-7015/1973)
  19. 不思議な男 (album [あのひと] JDX-7015/1973)

オリジナルLP番号 CD-5043/1972

SHOWBOAT MASTERPIECE SERIES 2014

伊東ゆかり・筒美京平による永遠の名作[ふたたび愛を]が紙ジャケット仕様で発売!!

伊サンレモ音楽祭日本人初入賞歌手 伊東ゆかりと日本ポップス史上最も偉大な作曲家 筒美京平が1972年に発表した共演盤[ふたたび愛~伊東ゆかり・筒美京平 LOVE SOUNDS]が最新デジタル・リマスタリング&W紙ジャケット仕様で発売!!
ボーナス・トラックとして本作未収録の日本コロムビア時代の筒美京平作品7曲を追加収録。まるでバカラック&ディオンヌのような伊東ゆかり・筒美京平ツーショット写真のフロント・カヴァーが秀逸!!
オリジナル盤LP仕様では初復刻!! 


 本当に歌のうまい人だと思う。そして時代とともに、色々な表情をみせてくれる。繊細で女性らしく、それでいてしっかりと芯が通っている。女性歌手の理想像が、この伊東ゆかりという歌い手の中にあるのではないかと思ってしまうのだ。そう思うのは筆者だけではないだろう。ミュージシャンやシンガーのなかにも、密かに彼女をリスペクトしている人が多い。例えば竹内まりやも、その一人ではないかと思う。2003年にリリースされたカヴァー集『Longtime Favorites』のなかで、シェリー・フェブレーやナンシー・シナトラにまじり、伊東ゆかりの「恋する瞳(L'Amore Ha I Tuoi Occhi)」を取りあげているのだ。この曲は伊東ゆかりが、65年にイタリアでおこなわれたサンレモ音楽祭に出場し見事に入賞を果たした曲でもある『Longtime Favorites』の音楽監督をした山下達郎によると、アルバムの制作にあたり竹内まりあが一番思い入れの深かったのが、この「恋する瞳」だったという。『Longtime Favorites』のなかで竹内まりやは、コニー・フランシスの61年のヒット曲「ボーイハント」をカヴァーしている。この曲は日本では伊東ゆかりでヒットした。歌詞も伊東版とおなじく漣健児(シンコーミュージックの草野昌一氏の作詞家ネーム)の訳詞を採用している。これはもう偶然ではないだろう。実際に二人の歌い方はとてもよく似ている。これは竹内まりやのデビュー時から思っていたことなのだが、ブリッジに入る前の感情を高ぶらせる部分で微かに力むところ、ヴィブラートを使わずに巧みに情感を表現していくところ、そして伸びやかな高音域など共通する部分が多いが、なによりも声質そのものが似ているのではと思う。

 伊東ゆかりが歌手として一番脂の乗っていた72年にリリースされたのが、アルバム『ふたたび愛を〜伊東ゆかり★筒美京平LOVE SOUNDS』(オリジナル番号 日本コロムビア/DENON CD-5043)だ。このジャケットを見ると、誰もが興奮してしまう。伊東ゆかりと筒美京平がツーショットで写っているのだ。これはまるでバート・バカラックとディオンヌ・ワーウィックのようではないか。平山三紀『魅嬉環劉嬲〜MIKI WORLD〜』の解説でも書かせていただいたが、筒美京平は女性歌手にたいして独特の嗅覚をもっている。天才作曲家だけが持ちうる感性なのだと思うが、その筒美京平にして、一緒にジャケットに写るほど入れ込んだのは、この伊東ゆかりだけではなかっただろうか。ブックレットには、「ゆかりちゃんへ…」「筒美先生へ…」と、互いの想いを綴った文章が掲載されているが、その中で筒美京平は「ゆかりさんのLPはぜひにでもやってみたいLPのひとつでした」と感激を込めて書いている。それに対する伊東ゆかりの敬愛に満ちた文も素晴らしいので、ぜひこの部分にも目をとおしていただきたい。アルバム『ふたたび愛を』は、A面(1〜6曲目)が新たに書きおろした曲、B面(7〜12曲目)は過去の京平作品からセレクションされたもので、全体が筒美京平ソングブックとなっている。オリジナルのままでの復刻は今回が初めてとなる。

 (音楽評論家 小川真一)

2014年5月20日発売 SWAX-1018 税抜価格 2,700円

●1972年作品
●解説:小川真一
●最新デジタル・リマスタリング
●W紙ジャケット(オリジナル帯復刻)仕様

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